賃上げの波にあなたはどう乗る?
3月の中頃、大企業の賃上げのニュースが連日世間をにぎわせました。
「労働組合の要求を超える昇給幅を多くの企業が提示」。
そんな言葉に新鮮な衝撃を覚えた人もいるのでは。
こうした動きは、今後どのような影響を及ぼしていくのでしょう。
キャリアアドバイザーの目線で読み解いてみたいと思います。
この記事のポイント!
・賃上げの背景にある人材採用への思惑
・中小企業の大幅な賃上げ実現にはまだまだ課題も多い
・社員一人ひとりが賃上げの原資を生み出す意識が大切に
持続的な賃上げはみんなで実現していくもの
労働組合の要求以上に企業が賃上げをしようとする。
この背景には、企業側の人材の採用、定着に向けた思惑もうかがえます。
物価上昇が生活に打撃を与え続ける昨今、給与の上昇は無論うれしいことです。
従業員がモチベーション高く働くためにも、新たな人材を採るためにも、他社に遅れをとるわけにはいきません。
企業の時勢に沿ったアクションが、社会全体の消費額を引き上げ、持続的な賃上げの原資となる。
そんな良いスパイラルが起きてほしいもの。
一方で大企業と比べた中小企業の動向も注目されています。
「中日新聞」や中小企業家同友会の調査では、中小企業の67%が賃上げをおこなうと報じられました。
ただし、懸念されるのは資金面です。
昇給はこれまでの3%未満という企業も多いとのこと。
賃上げされたといっても、手放しで喜べる人ばかりとはいえないのが現実です。
企業にとっては、原材料、光熱費の高騰も大きな課題となっています。
加えて人件費までアップしようとすると、シンプルに原資が足りない。
これから先、コストカット、売上増を実現するために、組織としていかに改善を重ねていけるかが問われています。
一人ひとりの生産性を高めるための賃上げという考え方も。
従業員の立場からすれば、組織がプールする資金から給与を引き出すよりも、業務改善や売上によって利益を上げていく意識が一層大切になっていくでしょう。
社員それぞれが自己研鑽や工夫をし、企業はその実績をきちんと認める。
原資も限られている中で、社員の能力開発に注力することと、その成長に賃上げなどで報いる意志を示すことが、優秀な人材の定着する組織づくりにつながると考えます。
転職を考える際にも、このような視点を持って、職場に目を向けてみてください。
企業の規模に左右されず給与が上がる続ける状況を、みんなでつくっていけるといいですね!
やっすー
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。