大人が学ぶのはなぜ?ー1分で読めるニシダの仕事哲学ー
ニシダチカ
大人になって楽しくなった学ぶこと
私、社会人になるまでほとんど本を読んでこなかったんですよ。子どもの頃の勉強とか読書って、どこか他人に言われてやっているように感じていて。正直、勉強することに点数を取る以上の価値が見出せずにいました。
でも、社会人になると、自分の持っている能力が必要とされたり、新しく身につけた知識が役だったり、学びが生きている実感ができるようになって。最初に入社した外資系のメーカーでは、もともと自信のあった記憶力がお客様からも仲間からもすごく重宝されました。何桁もの品番をスラスラ言えたんですよ(笑)。努力して覚えた知識が仕事で「自分らしい」価値を生んだ初めての瞬間でした。じゃあ、もっと覚えよう!すると、働くのも学ぶもの楽しくなる。良いサイクルが回り出した時に、学ぶことの意味を見出せた気がします。
未経験でベンチャー企業のコンサルティングに転職した時は、必要に迫られて新しい情報を取り入れるうちに、学ぶことの意味を自然と感じていました。コンサルティングには正解がない。お客様それぞれの課題に対して適切な方法論を考えて、提案し続ける必要がある。自分のストックだけではアイデアが全然足りないんですよ。だから、手当り次第必要そうなセミナーへ出かける、本を読み漁る。いつしか、「やりなさい」「これを勉強しなさい」ではなく、「これが知りたい」「お客様のためにアレ勉強しなきゃ!」と思うものを選んで学ぶようになっていました。なぜなら、セミナーに行くたび、本を読むたびに、自分に提案できることが増えていったから。目の前で自分を必要としてくれる人に一生懸命応えようとするうちに、学びから得られる成長自体が私のモチベーションになったのだと思います。
学びを未来への力に
こうした経験もあって、私は大人になっても学ぶのは、楽しく働くためだと考えています。
自分がアップデートされ続ければ、できる仕事はどんどん増えていく。その仕事で認めてもらえたら、次の可能性が広がっていく。そうして、自分が「必要だ」「面白そう」と感じた知識や技術をまた学ぶ。また新しい挑戦ができる。この楽しさを覚えたら、学ぶことをやめられません。会社から言われて渋々資格の勉強に取り組む人もいるでしょう。そんな時も、資格を取った先輩の姿を見ながら、合格した後にどんな未来につながるか想像してみてください。「ここで役立つかな」とイメージがやる気につながるはず。
最近、昔はまったく縁のなかった哲学の本を読んだりしています。すごく面白い。「人間はなぜ働くのか」からはじまって、なんで考えるのか、なんで生きてるのか…なるほどなーといろんな研究者の方の本を読んでいます。自分からきっかけを見つけたら、きっとどんな学びも楽しくなる。自分の力になる楽しい大人の学びを実践してもらいたいです。
「ニシダの仕事哲学」では、転職6回経験したニシダが考える「仕事にまつわるアレコレ」をお話しします。あなたのこれからを考えるヒントになりましたら。今回のテーマは、「大人が学ぶのはなぜ?」です。