「なぜ働くのか?」を考えるー1分で読めるニシダの仕事哲学ー
ニシダチカ
当たり前に働いているからこそ、考えてみて欲しい問い
「なぜ働くのか?」「働くってどういうことか?」
皆さんは考えてみたことありますか。私は、キャリアアドバイザーをしているからか、こうした質問をよくいただきます。
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「3人のレンガ職人」という有名な寓話があります。
旅人があるまちで重たいレンガを積む3人の職人に出会い、それぞれに「あなたは何をしているのですか?」と聞いてみると、
1人目は「レンガを積めと言われたから積んでいる」と答え、
2人目は「レンガで壁を作って金を稼いでいる」と答え、
3人目は「まちの人を笑顔にする後世に残る大聖堂を作っている」と答えた。
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三者三様の答えから、仕事への認識や目的の違いが窺えて、読んでいるあなたの働くこととの向き合い方を省みる機会にもなると思います。私がお伝えしたいのは、3人の誰かが正解ということはありません。働いている意味や目的はあなた自身の中にしか存在しないからです。
この3人が答えたように、あなた自身が「なぜ働くのか?」「働くってどういうことか?」と聞かれたらどのように答えるでしょう。
働くことは当たり前過ぎるので、目の前のタスクや日々の生活と切り離して、根本的な意味を問う機会はそんなにないですよね。けれど、それゆえに「意味なんか分からなくても、とりあえず働き続けるしかない」と変に達観してしまっていませんか?
例えば転職しようと考えた時、職種や待遇の希望を追いかける前に、ちょっと立ち止まって“働く”ということと向き合ってみるのもいいと思います。
ひとりより、みんなでちょっと哲学的なトークを
先日、知人とこんな会話をしていました。
「私は、“働く”ことは社会活動に参加することで、世の中が良くなるのを手伝うことだと思う」
『私は、“働く”っていうのは誰かが求める仕事のうち、自分にできるものを担うことだと思うよ。世の中にとって良いかどうかって、立場によっても変わるじゃん。だから、良いか悪いかはさておき、必要とされて対価をもらえることをやっているくらいなのかなと』
「なるほど、であれば私は、自分で世の中にとって“良い”と思う仕事をしているかな。こうやって話してみると、自分が何を大切にして仕事を選んでいるかも見えてくるね」
どうでしょう?“働く”について意見交換する中で、まだ気づいていなかった自分の価値観を引き出すきっかけができました。
「なんで働くのか?」「働くってどういうことか?」
唯一無二の正解はありません。ただ、自分ひとりで悶々と考えてみても、なかなか言葉にできないかもしれない。だから、たまには身近な人と、“働く”ことの理由や意味を考えてみてほしいんです。現実的な話ではなく、ちょっと哲学的に。
すると、あなたが“働く”を考える上で注視しているポイントが浮かび上がってくるでしょう。それは、職種や職場選びのヒントにもなり、あなたのキャリア形成の指針となるはず。ただ「考えてみること自体に意味がある」というだけでなく、有益なチャンスになると思いますよ。
「ニシダの仕事哲学」では、自分自身6回の転職を経験したニシダが考える「仕事にまつわるアレコレ」をお話しします。あなたのこれからを考えるヒントにどうぞ。今回は、「なぜ働くのか」「働くとはどういうことか」について考えてみました。