はたらく人を守る力に!安田の労働法基礎講座 第5回 年齢制限
みなさんは、労働に関する法律や制度について、どのくらい知っているでしょうか。
「権利の上に眠るものは保護に値せず」という格言にもあるように、適切な権利を保障する法制度も、正しい知識に基づいて行使しなければ、決してあなたを守ってはくれません。
はたらく人にとって、なにが権利で、なにが義務なのか。
この「安田の労働法基礎講座」では、労働に関する法制度について基本的な知識からレクチャーしています。
みなさんの自分自身を守る力になったら嬉しいです。
第5回のテーマは「年齢制限」。
法的にどのように定められているか知っておくと、募集内容から企業の事情が窺えるかもしれませんよ。
この記事のポイント!
・年齢制限は原則できません!
・法的に定められたいくつかの例外があります。
・応募条件から職場の事情が垣間見えるかも。
年齢制限は原則禁止。でも、例外有り。
上記の見出しの通り、求人における年齢制限は「雇用対策法」に基づいて原則禁止です。
ただし、あまり知られていませんが、実はいくつかの例外事由があります。
下記のようなパターンは分かりやすいでしょう。
・ 定年を上限とする場合
・ 法律による年齢制限がある職種
(例えば警備員は18歳未満の就業不可)
この他、雇用対策法施行規則第1条の3では、4つの条件が定められています。
1)長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約対象として募集・採用する場合
→長い目で人材育成を考えての採用は、例外として認められます。ただし、「正社員での採用」「職歴不問での採用」であることが条件です(職務経歴や実務経験を要する資格を応募要件にしてはいけません)。
2)技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
→例えば、電気通信技術者が働く企業において、35〜40歳の層だけ他の年代と比べて極点に少ない場合に、年齢を限定して募集をかけられます。(該当する職種は、政府の分類による。正社員での採用限定。)
3)芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合
→演劇での子役の募集など、作品づくりに特定の年齢の人が必要な場合に認められます。
4)60歳以上の高齢者または特定の年齢層の雇用を促進する施策の対象となる者に限定して募集・採用する場合
→働きたい高齢者の採用など、国の施策を活用する場合に認められる例外です。
転職者のみなさんに関わってきやすいのは、1)と2)の場合でしょう。
どの例外によるものかは、募集要項への記載が必須となっています。
年齢が絞られているとしたら、どのような理由かもきちんと確かめてください。
やっすー
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。