テクノロジーの進歩と転職活動~生成AIはどう使える?~
昨年あたりから、Chat GPTなどいわゆる生成AIと呼ばれるツールが、広く注目を集めるようになりました。
メリット、デメリットの議論もありつつ、こうした新たなツールのさまざま分野での活用が期待されているところです。
では、技術の進歩は転職活動において、どんな変化を生むのでしょう。
そして、転職者のみなさんにとって、どんな使い道が考えられるのでしょう。
キャリアアドバイザーの視点から考えてみました。
この記事のポイント!
・データの活用で大きなミスマッチのリスクは減る?
・生成AIで“それらしい”以上の文章をつくるのは難しい。
・生成AIを使いながらも、“自分らしい”職務経歴書をつくることが大事。
あなたに合う企業が見つかりやすくなる?
データの活用が進めば、企業が各社員の経歴、スキル、性格、実績などを分析することで、「その企業での活躍が期待できる人材」を、見つけやすくなると思われます。
これまで感覚的に捉えてきた求める人物像を、よりクリアにすることができるでしょう。
これは、企業にとっても、転職者にとっても、大きなミスマッチのリスクを減らす効果が期待できます。
一方で、良くも悪くもデータから導かれた人材との振れ幅は小さくなるため、「うちにいないタイプを採用したい」と考える企業には不向きな手法かもしれません。
自己PRや志望動機は生成AIだよりにできる?
「生成AIによって、履歴書の作成は楽になりそう」と思っている人も少なくないのでは。
確かに、メディアなどでも報じられているように、例えばChat GPTに「〇〇な文章を、▲文字程度でつくって」と入力すると、実にそれらしい作文をしてくれます。
叩き台となるテキストをつくるのは、たしかに楽になりそうです。
すでにそういうサービスもあるといいます。
ただし、“それらしい作文”頼りではなく、“自分らしい”加筆修正が不可欠です。
AIは、あなたのパーソナルな部分までは考慮してくれません。
企業としても、一般論だけが書かれていたのでは、「本当に自分で書いたのだろうか」と疑うはず。
個人的な情報をたくさん入力して文章にしてもらう手もありますが、生成AIで思った通りのテキストを一発で出すのは簡単ではありません。
一度やってみると分かります。
加筆修正にしても、情報の入力にしても、手間ひまはかかる。
生成AIに頼るだけでなく、あなたらしい使い方を見極めてください。
企業の採用試験も変わる?
職務経歴書の自己PRや志望動機は、企業が応募者の文章力、論理的思考力など地頭の強さを測るためのものでもあります。
生成AIを使う人が増えることで、選考時に見えづらくなる力も出てくるでしょう。
企業によっては、転職者に求める力を別個に試す試験を課すところも出てくる可能性も。
新しいツールを上手に扱う力も大切ですが、転職先で自分が備えるべき力はきちんと理解しておく必要があります。
やっすー
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。