若手転職者が減り気味の今が、転職するにはいい時期!?
「最近、若手の転職希望者が減っているのでは?」
キャリアコンサルタントとして、そんな雰囲気を感じていました。
実際のところどうなのでしょう。
今回は、近年の転職者数の推移について、他の数値の動向とも照らし合わせながら分析してみたいと思います。
この記事のポイント!
・転職者数が減っている裏側に景気の悪さが。
・転職者が減る一方、企業は人材を採りたい。
・転職で年収1割アップのチャンスも。
景気の不安が転職への動きを鈍らせている?
25歳〜34歳の転職者数の推移を前年比の割合でみると、2020年、2021年と連続で減少傾向となっています(グラフ1 オレンジ線)。
では、この現象の理由はどこにあるのか。
若い転職者が減っていると聞くと、「そもそも人口構造的に若い世代の数が減っているのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし、同年代の働く意志・能力を持った人、いわゆる「労働力人口」は、微減程度で、大きな減少傾向はみられません(グラフ1 ブルー線)。
転職者数の変化との間に有意な相関関係もなく、人口減少によって転職者が減っているわけではなさそう。
この世代の転職者数と比較的強い相関関係(相関係数0.50)がみられたのは、前年度の名目経済成長率でした(グラフ1 ネイビー線)。
ここでポイントなのは、当年ではなく前年の数値ということ。
つまり、この世代の方は、景気が良くなっていると実感した後で転職に動き出す傾向がみられるのではないでしょうか。
そして、それは逆もいえるのです。
景気が悪くなったと思えば転職しなくなる。
低調な経済成長率、あるいは物価上昇による生活の苦しさ。
こうした世の中の動向が、転職熱を下げてしまっているようです。
実は、今が転職のチャンスかも!
景気の悪さを感じて転職への動きが鈍っている人が少なからずいる。
転職しようかと考えているみなさんは、実際どうですか?
けれど実は、若手にとって今は転職をするのにいい時期かもしれません。
グラフ2~4は、20歳〜34歳の転職後の年収の増減について、5歳ごとに整理したものです。
これをみると、20代〜30代前半にかけて、転職した人の実に20%〜30%程度が、1割以上の年収アップをしています。
転職者数が減っている一方で、企業は今も採用意欲があります。
たとえ経験が浅かったとしても、企業は給与の条件を良くしてでも採用したいと思っている。
景気の良し悪しに左右される気持ちも分かります。
しかし、「今はやめておこうかな」と思っているうちにチャンスを逃してしまう場合もある。
ぜひいろいろなデータを参考に、自分の動き方を決めることが大切です。
(データ出所)
グラフ1:総務省「労働力調査年報」、内閣府「国民経済計算」
グラフ2~4:厚生労働省「雇用動向調査」
やっすー
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。