働きたくない君へー1分で読めるニシダの仕事哲学⑮ー
ニシダ チカ
なぜ、働きたくないの?
いろいろな人の就職や転職の相談を受けていると、「働きたくない」という声を耳にすることがあります。印象としては、若い世代の間でこうした意見が少なくない。合同企業説明会に来ているのに、相談ブースで「働きたくない、社会に出たくない」と話す人がいてちょっと驚きます。
どうして、働くことへのモチベーションが高まらないのだろう。「働いたってひとつも面白くない。面倒なだけ」というイメージが先行しすぎているようにも感じます。実際にはたらく社会人のネガティブな声がクローズアップされがちな、人々を取り巻く情報のあり方にも原因があるのかもしれません。「働くのは楽しい」とポジティブな情報は嘘っぽく聞こえてしまうのでしょうか。もしそうだとしたら、一度自分の色眼鏡を外して、ネガティブな情報もポジティブな情報も、それが事実かどうか確かめてみてもいいと思います。特に、働き始める前は不安も多いですが、悪い印象にばかり捉われていては前向きになれません。すでに働いて、自分の現実を踏まえて「働きたくない」という人も、まだ見えていないリアルがたくさんあるはずです。
働くことで得られる「存在意義」がある
個人的な意見をお伝えすると、働くとは、自分のやっていることを他者から認められる大切な機会です。自分の行動に価値があると思ってもらえるからこそお金がもらえる。ただ好きなことやっているだけでなく、そこに他者との関わりがあるからこそ、自分の生きている意味を実感できます。もちろん楽しいばかりではありませんが、1日の3分の1程度を費やしても惜しくないほど、得られるものも多いですよ。
私が感じている働く意義が絶対のものではありません。なにを期待するかは人それぞれです。あなたは、働くことを通して、何を得たいと考えていますか。期待すら無駄だと諦めてしまっていませんか。もしそうだとしたらもったいない気もします。
なぜ「働きたくない」と思うのか。この問いをどう紐解き、向き合ったらいいのか…なかなか答えが出ません。ぜひみなさんの声も聞かせてください。
「ニシダの仕事哲学」では、6回の転職を経験したニシダが考える「仕事にまつわるアレコレ」をお話しします。あなたのこれからを考えるヒントにどうぞ。今回は、若者の「働きたくない」という声について。