キャリア形成から考える仕事探し 〜今の時代、仕事を通して得るべきものはなにか?〜
転職を考え、仕事や会社を探しているみなさん。
今回も渡邉正裕さんの『「いい会社」はどこにある?――自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点』(ダイヤモンド社、2022年)を参考に、仕事を選ぶ際のポイントをお話しします。
注目したいのはキャリア形成について。
雇用や就労のあり方が変化し続ける中、これからの時代どのようにキャリアを積み重ねていくといいのか一緒に考えてみましょう。
賃金を上げるためには自ら動くしかない
終身雇用、年功序列賃金などを特徴とする日本型雇用は過去のものとなりつつあります。
総合職で就職し、ひとつの会社でなんでもできるゼネラルな人材になる。
そんな人材育成のスタイルももはや昔のもの。
ジョブ型雇用でスペシャリストを求める一方で、数千人規模の人員削減に踏み切る大手もあるようです。働き方、求める人材は確実に変わっています。
とはいえ、日本の人材流動性は国際的にはまだまだ低く、在籍10年の社員の割合はイタリアに次いで主要国中2位です。合わせて、平均年間賃金は低い。
現状は、長く働いてコツコ日本よりも転職やジョブ型雇用によるキャリアアップが一般的な国の方が、稼げる金額も大きくなっているようです。
低賃金に対する国の対策が弱い中で、雇用の変化の波にどう乗っていくかしっかりと考える必要があるでしょう。
では、どんな視点でキャリアを描き、仕事を選ぶといいのか。3つのポイントを紹介します。
1)ポータブルスキルを身につける
業界を問わず通用する汎用性の高い“ポータブルスキル”を備えていると、活躍の幅が広がります。
そうしたスキルは、国の規制が強くない業界の方が身につけやすいです。
例えば、出版、銀行、鉄道などはしっかりと規制されているため、できる経験も固定化しがちです。
逆に、IT、ゲームといった国の手が及んでいない企業は、新しいサービスの考案や、そのプロセスでの他者との連携もしやすい。
個人的には「明るさ」「素直さ」も立派なポータブルスキルになると思います。
他者との距離の縮め方、理解し合おうとする姿勢は、どの業界でも重宝されるものです。
2)市場価値を高められる分野で経験を積む
多くの企業から求められるには、その時々のニーズに合致した能力を持っていることも重要です。
例えば、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進される中、IT系のスキルは重宝されるでしょう。
この他、外国語を扱える人、体育会系の人などは、採用ニーズが高めの傾向がみられます。
キャリア形成のはやい段階で、市場価値を高める意識を持つと可能性が広がるはず。
3)転職も含めたキャリアパスを想定しておく
今や大企業においても買収や統合が行われ、それに伴うリストラ当たり前に起こりえます。
どんなに愛着があろうと、ひとつの企業で勤め上げるイメージだけでなく、いくつものキャリアパスを考えておいてください。
最近は、社内でのキャリア形成を複線型にしている企業も多いです。
ひとつの職種に固定するのではなく、留学、資格認定などの制度を導入して、社員が希望する道へ進むのを応援してくれます。
「このままでいい」と今の職場、職種に甘んじることなく、将来の選択肢をいくつも用意しておくと安心です。
くわちゃん
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
名古屋市出身 名古屋市在住。
カメラマン、法人・個人のお客様に寄り添う生命保険営業を経験し、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
「CAくわちゃんの転職お悩み相談室」の通り、あなたの転職の悩みにしっかりと向き合います!転職への想いをぜひお聞かせください。