「好き」を仕事にするー1分で読めるニシダの仕事哲学―

ニシダチカ

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「ニシダの仕事哲学」では、人材業界に10年以上関わり続け、様々な求職者と出会ってきたニシダが考える「仕事にまつわるアレコレ」をお話しします。あなたのこれからを考えるヒントになりました。今回のテーマは、「好き」を仕事にする…です。
※ 前回の記事はコチラ。よかったら続けて読んでみてください。

「好き」を仕事にするべきか

就職活動中の大学生と話をしていると、「〇〇が好きだからこの業界、職種、企業」と、自分の「好き」を軸に仕事を選ぶ声がよく聞こえてきます。大人たちにも「好きを生かすのはいいこと」と言われ続けてきた。だから、好きを仕事にするのは正しいと考えて、就職活動を始めるのでしょう。私はこの方向性を決して否定はしません。

でも、「好き」を仕事にしたはずなのに、いざ働き出してみたら挫折する人も少なくない。例えば、「旅行が好き」だからと旅行会社に入社したものの、お客様とのコミュニケーションに疲れたり、集客の目標を達成できずに心が折れてしまったり。自分の決断は失敗だったと退職する人がいます。

なぜこうしたギャップが生まれてしまったのでしょう。さらに、仕事で抱いたネガティブなイメージで、好きを失くしてしまったら残念ですよね。新卒でも転職でも、仕事選びにおける「好き」との距離のとり方はどのようにあるべきだと思いますか。

「どうして好きなのか」をヒントに

私に相談を持ちかけてくれる人で、「〇〇が好きだから」という人には、「どうしてそれが好きなんですか?」「それのどんなところが好きなんですか?」と問いかけます。「これが好き」と表面的な言葉ではなく、「好き」の中身を深く省みて欲しいんです。

もう一度、旅行で考えてみましょう。「なぜ旅行が好きなのか」に対し、「友達とワイワイ過ごす時間が好き」「ひとり旅をしてぼーっと考えるのが好き」「旅行のプランを立てるのが好き」…etc、いろいろありますよね。

こうして並べてみると、「旅行のプランを立てるのが好き」な人であれば、それは時間やお金をきちんと計画的に管理できる、仕事でも生きる力を持っているのではと考えられます。もしかしたら旅行や観光に限らず、メーカーの生産管理のような職種でも活躍できるかもしれない。「旅行好き=旅行会社」という一面的な選択から、視野を広げることで好きを生かせる新しい可能性がみえてきます。

「好き」を毎日のどの場面で生かすか

では、「好き」を深掘りしたら仕事に生きる能力が見つかるのか。もちろん必ずしもそうとは限りません。「ひとり旅をしてぼーっと考えるのが好き」は、仕事と結びつけるのはなかなか難しい。であれば、無理に仕事と関連づけなくても、趣味として休日のリフレッシュにしたらいいのでは。

私は、ずっと文房具が好きなんです。この話をすると「じゃあ、文具メーカーで働いたらいいじゃん」と友人に言われることもしばしば。でも、その気はまったくないんですよね。私にとって文具は、好きなものであり、仕事に楽しみをもたらしてくれるツール。お気に入りのペンを持っているだけで仕事中も気持ちがいい。面倒な会議も新しい手帳と一緒に出たら意欲が湧く。モチベーションを上げてくれます。

自分にとって「好き」がどんなプラスをくれるか考えてみることが大切です。「好き」を仕事にできなくても大丈夫。

まだ見えていない「好き」もある

今の「好き」は仕事に直結しない。だから「好き」を仕事にはできないのか。そんなことはありません。

以前、テレビであるアイドルがこんな話をしていました。「好きを仕事にする時もあるけれど、やって好きになる仕事もある」。私自身もそうだなと感じました。まったく未知の世界でも、やってみたら向いていた、信頼を得られて居場所ができた。こうした人もたくさんいます。あなたの自覚していないところにも「好き」はある。知らないだけで「嫌だ」「できない」と決めつけずに、宝探しくらいの気分でチャレンジしてみるのもひとつの手です。

ひとりではその可能性が見えてこない。そんな人は、ぜひ他者の声を聞いてみてください。家族や知人に相談するのもいいでしょう。私たち、キャリアアドバイザーに話してくれたら、好きを深掘りして向いていそうな職種、業界をご紹介できます。新しい「好き」の出会いのチャンスにしませんか。

筆者プロフィール

ニシダ チカ
株式会社名大社
人材紹介事業部 部長
キャリアアドバイザー
 
1981年生。神奈川県出身 岐阜県在住。
こう見えて実はリケジョ。外資系メーカーに就職後、人材業界にキャリアチェンジ。
新規事業立ち上げや、コンサル、飲食店経営、NPO職員など転職6回を経て現在。
社会人の他にも、学生の就活相談や、企業から採用の相談を受ける日々。
チャームポイントは、おかっぱ頭と丸メガネ。

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