はたらく人を守る力に!安田の労働法基礎講座 第3回 残業

みなさんは、労働に関する法律や制度について、どのくらい知っているでしょうか。

「権利の上に眠るものは保護に値せず」という格言にもあるように、適切な権利を保障する法制度も、正しい知識に基づいて行使しなければ、決してあなたを守ってはくれません。

はたらく人にとって、なにが権利で、なにが義務なのか。

この「安田の労働法基礎講座」では、労働に関する法制度について基本的な知識からレクチャーしています。みなさんの自分自身を守る力になったら嬉しいです。

 

 

第3回のテーマは「残業」。

仕事を選ぶ上でも、仕事をする上でも、常に気になることのひとつ。

法律上の仕組みをきちんと知っておきましょう。

 

この記事のポイント!

  • ・残業の種類と割増率を知っておこう。
    ・各種手当、インセンティブ、ボーナスは割増計算に含まれない。
    ・でも、みんな一律に受け取る手当などは割増計算に含まれる。

いろいろある「残業」の種類

企業が定めた所定の勤務時間を超えて業務が発生することを「残業」と呼びます。

ただし、「残業」として一括りにされる業務は、その時間帯などによって時給への割増の比率が変わってきます。

まずは残業の種類を整理しましょう。

1 法定時間内残業(割増0%)

1日8時間、週40時間のいわゆる法定労働時間内に発生する残業のこと。

この場合、働いた分の時給は支払われますが割増はありません。

法定時間内残業は、1日8時間勤務の職場では原則発生しません。

2 法定時間外残業(割増25%)

1日8時間、週40時間のいずれかを超えた場合に発生する残業です。

時給の25%増で給与計算がされます。

3 休日出勤(割増35%)

休日出勤(※週7日目)の時給は35%増となります。

4 夜10時以降の勤務(割増25%)

夜10時を超えて勤務する場合は、残業か否かに関わらず25%増の時給が支払われます。

10時以降の法定時間外残業となる場合は、25%+25%=50%増に。

一方で、残業ではなく単に夜シフト(10時以降が所定の勤務時間)であれば、25%増だけです。

5 法定時間外残業(割増50%)

月60時間超える法定時間外残業が発生した場合、50%増の時給になります。

※中小企業で法定時間外残業代の引き上げに猶予措置がとられてきました。2023年4月以降は、このパーセンテージが適用されます。

 

 

ご自身の給与はきちんとこの割合で算出されているか、この機会に一度確かめてみてはどうですか。

残業の割増計算から省かれるもの

各種手当(家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当)、あるいは、臨時で支払われた賃金(インセンティブなど)、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなど)は、時給計算からは除外されるので割増の対象になりません。

ただし、個人の事情に関わりなく全員に支払われている手当などは基本給と変わらないものとして時給計算に含まれます。

筆者プロフィール

やっすー
 
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。

やっすー

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