愛知県の最低賃金が1,000円を超えたハナシ

今年10月、愛知県の最低賃金が41円引き上げられ1,027円になりました。

1,000円を超えるのは初めてのこと。

このニュースを、キャリアアドバイザーの視点から、読み解いてみます。

  • この記事のポイント!
    ・愛知県の最低賃金が1,000円を超えた
    ・最低賃金アップの背景にある経済の動きや政府の意図をチェック
    ・人を雇えなくなる企業や、機械による無人化の加速も

最低賃金アップの背景

これまで、最低賃金が1,000円を超えていたのは、東京、神奈川、大阪の三都県でした。

今回の引き上げで、愛知の他、埼玉、千葉、京都、兵庫も1,000円を超えました。

愛知県は、全国で第5位の金額です。

 

最低賃金は、都道府県ごとの生活費の動向や企業の給与支払いの余力を考慮して決まるもの。

大幅な引き上げの要因となったのは、昨今の物価上昇です。

物価の上昇が続くと、人は「もっと値上がりするなら、今のうちにものを買っておこう」と考えるとされます。

あまりに急な上昇は経済の混乱とともに困窮を招いてしまいますが、緩やかに物価が上がると購買行動がとられやすくなるというのがセオリーです。

 

一般的に、給与は物価よりも上がりにくいとされます。

政府の目論見は、大幅な最低賃金のアップによって購買を後押ししようということ。

給与が上がり、モノの需要が増え、企業の収益も増え、また給与が上がる。

こうした良いスパイラルが生まれて、経済成長を実現しようと考えています。

 

物価が上がれば生活が苦しくなるので、下がった方がいいと考えるのも当たり前だと思います。

ただし、物価上昇時ほどの賃金アップは見込みづらくなってしまう。

給与が増えなければ、購買意欲が湧かず、結果的に企業も苦しくなる。

最低賃金の引き上げの裏にある経済の仕組みは、ぜひ理解してもらいたいです。

企業は、仕事は、どう変わる?

一方で、最低賃金の引き上げによって、企業からは「人を雇う余裕がなくなる」という声も聞かれます。

あるいは、量販店や飲食店などで、無人レジに導入による人件費削減がはかられるといった動きが加速する可能性も考えられるでしょう。

ただしそこには、無人化のために新たな設備投資が生まれることも事実。

 

給与の上昇が目指される中、企業がどのように対応していくのか、これからどんな仕事が必要とされるのかに注目してください。

最低賃金の引き上げは、さまざまな影響を生みます。

俯瞰的に世の中をとらえ、自分自身の将来を考えてもらいたいです。

筆者プロフィール

やっすー
 
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。

やっすー

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