やっすーの自動車業界解説② "ティア"を理解しよう

ものづくりの盛んな東海エリア。自動車業界での転職を考えている人もたくさんいるでしょう。
「改めて業界の基礎から知りたい」という人たちのために、自動車業界のあれこれを解説します。
第2回は、自動車業界の“ティア”について。

  • この記事のポイント!
    ・“ティア”とは、完成車メーカーと関連メーカーとの関係性を示す言葉
    ・製品ごと、取引先ごとにティアが変わる企業も
    ・「ティア○」だけに注目せず、企業の実態を知り、理解を深めるのが大事

“ティア○”だけでは見えない企業の実態

「うちはトヨタのティア2だよ!」
自動車業界の話をしていると、こんな言葉をよく耳にします。
けれど、よく耳にするけれどよく分からない人も案外少ないないのでは。

“ティア”とは、完成車メーカーとそこから仕事を請ける企業との関係性を表す言葉。
完成車メーカーに直接納品する一次請け企業は“ティア1”。
二次請けは“ティア2”、三次請けは“ティア3”と呼ばれます。

企業によっては、「この部品は直接納入だからティア1だけど、あの部品はティア1からの依頼だからティア2」というところも。
あるいは、複数の完成車メーカーと取り引きしており、「あちらはティア1、こちらはティア3」なんて話も。
その企業が、なにをどこに納めているか詳細に見て、ポジションを見極めることが大切です。

「ティア1の方がいいな」はホント?

ティアの話をすると、「完成車メーカーと距離の近いティア1の方がいい企業だ」とイメージする人は少なくありません。

実際はどうでしょう。

先に述べたように、なにを作っているか、どこと取引があるか内実をしっかり見ずに、「あそこはティア○」と決めつけるのは安易な考え方です。

ティア2、3の企業が「注文が伸びすぎて断っている」と話していることもあります。

確かな技術と実績で、完成車メーカーから揺るぎない信頼を得ている企業は、ティアがいくつであっても安定しているもの。

なお業界的に、高い品質基準を満たす企業を新たに開拓するのは容易ではないという事情もあるようです。
「下請け」という言葉で括られてしまいがちですが、印象よりも強い企業はたくさんあると思います。

転職においても、“ティア○”だけで判断せず、実態を丁寧に把握した上で自分の希望を満たす企業を見つけましょう。

筆者プロフィール

やっすー
 
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。

やっすー

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