転職するあなたに教える"為替のハナシ"(前編)
みなさんは、外国為替市場をチェックしていますか。
円安だドル高だと、ニュースが賑わう日もありますが、「正直よく分からないし、そんなに興味ない」という人も少なくないのでは。
なかなかややこしく、難しい話題ですよね。
けれど、企業や家計の今と将来を考える上で、為替の話が分かって損はありません。
実は、資産運用だけでなく、転職者の企業選びにおいても判断材料のひとつになり得るもの。
ということで、前後編2回に分けて、為替の基礎知識や昨今の為替の動きについて、解説したいと思います。
教養として覚えておくもよし、仕事や転職で活かすもよし。
それぞれの暮らしで役立ててください。
この記事のポイント!
・「円安ドル高」は輸出に有利。「円高ドル安」は輸入に有利
・為替レートの状況は、企業の将来を見通すヒントのひとつ
・外国とのものの売り買いによって、為替レートが動く仕組みとは
正しく覚えておきたい為替の基礎知識
まずは、社会の授業のおさらいから始めましょう。
外国為替市場においては、ある貨幣を他の貨幣にいくらで交換できるか、そのレートが刻一刻と変化しています。
例えば、「1ドル=150円」から「1ドル=140円」になれば、相対的に一円の価値が上がっているので「円高ドル安」に、逆に「1ドル=150円」から「1ドル=160円」になれば、「円安ドル高」になっているといえます。
為替レートの状況は、とりわけ輸出入に関わる企業にとって、業績に直結するものです。
円安ドル高になれば、輸出企業に有利で、輸入企業に不利。
円高ドル安になれば、逆に輸出企業に不利、輸入企業に有利となります。
「円安によって輸入コストが上がり、苦しい思いをしている企業がある」といったニュースを耳にした覚えはありませんか。
興味のある企業の将来性をはかる際、ぜひ為替レートの現況と業績の良し悪しを照らし合わせてみてください。
実需によって為替はどう動くか
そもそも為替レートはどんな要因によって変化するのか。
前編では、実需による影響を説明します。
仮に、日本からアメリカへ車を輸出し、代金がドルで入ってきたとしましょう。
ただし、日本の従業員には円で給与が支払われます。
外国為替市場でドルを売って、円に交換します。
もしこのやり取りがとてつもなく大きなスケールで行われたら…。
市場にはドルがあふれ、円が不足するわけです。
すると円の価値が上がり、ドルの価値は下がる。
これが輸出入による製品の行き交いに伴い、円高ドル安へとふれる仕組みです。
では、外国からも製品を求められる日本は、実需によって円高になるのか。
現実はそうなっていません。
その要因は、輸入するエネルギー価格の高騰、生産拠点の海外移転など。
海外での収益が大きい分、企業の経営自体は黒字ですが、いちいちドルを円に還元する必要はないので、為替が大きく変動するような圧力は生まれていない状況にあります。
いくつもの要因が絡み合う複雑な話ですが、理解できると世の中の動きがクリアに見えてきます。
後編では、最近話題の投資と為替の関わりについてお話ししましょう。
(後編に続く)
やっすー
株式会社名大社
キャリアアドバイザー
1990年名古屋市中川区生まれ、南山大学出身。
教育業界で事業運営・経営企画を経験した後、キャリアアドバイザーとして名大社に入社。
特技は、東海地方に数多ある会社の情報や、皆さんが知らないようなお仕事のこともめちゃくちゃ分かりやすく伝えることです!わからない業界のことなど、ぜひ聞いてください。