転職でまずやることは? 転職活動を成功させる事前準備を詳しく解説
目次
転職活動は、新卒や第二新卒の就職活動とは流れが違います。はじめて転職を考える場合、「何から始めたらいいのかわからない」と不安に思う方もいるのではないのでしょうか。転職活動は、事前準備が大切です。しっかり準備せずに進めてしまうと、転職に失敗して後悔してしまうかもしれません。
コラムニスト
はじめに転職活動の進め方を把握しよう
転職活動は、下記の5段階で進めます。
1.事前準備
2.書類作成・求人応募
3.面接・試験
4.内定
5.退職・入社
この記事では1段階目の「事前準備」を中心に解説しますが、まずは転職活動全体の流れを把握しましょう。各段階でやるべきことを説明します。
1.事前準備
事前準備の段階では、主に以下の作業を行います。
自己分析
転職スケジュールの策定
情報収集・企業研究
転職方法の決定
転職活動において、求人へ応募するまでの事前準備がもっとも重要と言えます。事前準備なしで求人を探し始めると、転職活動が長引いてしまうかもしれません。「なぜ転職したいのか」と自己分析から始めることで、理想の転職を実現しやすくなるでしょう。
2.書類作成・求人応募
事前準備を終えたら、実際に求人応募へ動き出します。求人応募には履歴書や職務経歴書が必要になるため、それぞれの作成も必要です。デザイナーやITエンジニアなどの転職の場合、ポートフォリオの提出を求められるケースもあります。
各種書類をいい加減に作ってしまうと、書類選考の通過率が下がってしまうでしょう。多くの企業で一次面接へ進むためにも、書類を作る際はそれぞれの正しい書き方を調査してから着手することが大切です。
また、初めての転職であれば、職務経歴書の作成経験がない方がほとんどではないでしょうか。自分1人での職務経歴書の作成に不安がある方は、添削や役立つアドバイスをしてもらえる転職エージェントの利用も検討してみてください。
3.面接・試験
書類選考を通過すると、面接に進みます。一回の面接で終わる企業もあれば、二次面接へと続く企業もあります。内定の合否に強く影響するため、事前の面接対策は不可欠です。いきなり面接当日に挑むと、想定外の質問に上手く答えられないかもしれません。面接時にパニックにならないために、「自己紹介・自己PR」「志望動機」「退職理由」「スキル・経験」といった質問への回答を練習しましょう。面接は緊張しやすいシチュエーションですが、練習を重ねれば冷静に受け答えしやすくなります。
可能であれば、家族や友人などに面接官役を頼んでみたり、自分の様子を動画で撮影したりすると良いでしょう。動画で自分の姿を確認すると、他人に与える自分の印象を客観的に判断・修正できます。なお、企業によってはSPIなどの適性検査や筆記試験も実施するパターンがあります。SPI対策問題集を活用し、試験に備えましょう。
▼転職時の適性検査について不安な方は、以下の記事もご覧ください。
https://nagoya-magent.jp/column/2079.html
4.内定
最終面接に合格すると、企業から内定通知が届きます。内定承諾の返答期限は、1週間が一般的です。注意点として、仮に1社しか応募していない場合でも、焦って内定承諾の連絡をしないようにしましょう。一旦冷静になり、その企業の仕事内容や労働条件が自分とマッチしているのかを改めて考えてみてください。迷うポイントがあるなら、自己分析の結果を振り返って判断してみましょう。
内定辞退の連絡をする際は、できる限り素早く連絡しましょう。企業はあなた1人に内定通知を送るまでに、求人募集や書類選考、面接など、多くの時間とコストをかけています。誠実な対応はもちろんのこと、企業に納得してもらえる明確な辞退理由の提示も大切です。
5.退職・入社
内定承諾後は、現在の会社で退職手続きと業務の引き継ぎを行います。円満に退職するためにも、退職1ヶ月前までには退職意思を伝えましょう。たとえ引き止めにあっても、退職の意思を曲げないことが重要です。明確に引き止めを断らないと、いつまでも退職できず転職時期が伸びてしまうかもしれません。転職先に迷惑をかけてしまうため、きっぱり断りましょう。
業務の引き継ぎ内容はあらかじめまとめておくと、次の担当者へスムーズに引き渡せます。中には、「引き継ぎの義務はない」と面倒に思う方もいるかもしれません。しかし、不必要に悪印象を与えるのはおすすめできません。転職後に元の会社と関わる可能性はゼロではないので、去り際まで周囲と良好な関係を保つことも大切です。
ここからは、転職でまずやるべき「事前準備」段階について、さらに詳しく説明します。
転職でまずやること①|自己分析
転職活動全体を通して、自己分析の重要性は高いです。自己分析について、次の4つに分けて説明します。
1.転職の検討
2.転職スケジュールの立案
3.キャリアやスキルの把握
4.希望条件の明確化
1つずつ手順を見ていきましょう。
1.転職の検討
初めに、そもそも本当に転職すべきなのか、現状を冷静に見極める必要があります。転職したい理由をはっきりとさせ、転職の必要性を判断しましょう。転職したい理由として、以下の例が挙げられます。
年収を上げたい
他にやりたい仕事がある
スキルアップ・キャリアアップが望めない
勤務時間や勤務地などの働き方が合わない
人間関係に強いストレスを抱えている
こうした理由を明らかにすることで、現在の会社では解決できないのかが判断できます。たとえば、人間関係に悩みがあるなら配置転換で解決するかもしれません。また、転職したい理由は、転職の方向性や企業選定の基準にもなります。
2.転職スケジュールの立案
転職を決意したら、転職活動の計画を立てましょう。転職活動の期間は、一般的には3ヶ月程度と言われています。転職活動は在職中に行うのが基本ですので、仕事と無理なく両立できるようなスケジューリングが大切です。「何月までに転職したい」と定め、逆算して計画を立てましょう。
たとえば、10月までに転職したいなら、遅くとも3ヶ月前の7月には転職活動をスタートさせなくてはいけません。さらに余裕を持って始めたいのであれば、半年前の4月からゆっくり自己分析を始めても良いでしょう。仕事とのバランスを考え、心身の負担が少ない状態で進められるよう計画してみてください。
3.キャリアやスキルの把握
次に、これまでのキャリアや経験、自分のスキル、特性を把握しましょう。主に、以下の項目を考えてみましょう。
項目 | 例 |
仕事上の経験 | どの業界でどのような仕事をしたか、チームにおける役割、具体的な成功・失敗体験 |
自分の特性・価値観 | 周囲からの評価、仕事上のやりがいを感じる場面、ストレスを感じる場面、理想の仕事・人物像 |
自分の強み・弱み | 強みのあるスキル・分野、苦手なスキル・分野 |
今後の目標 | 今後成長させたいスキル、どういった職場で働きたいか、将来のビジョン |
以上の項目を考える際は、自己分析シートを使うと効率的です。自分のキャリアや強みを把握しておくと、転職先の選定だけでなく、履歴書の作成や面接にも役立ちます。
▼面接で自分の強みや弱みを聞かれた際の対策は、以下の記事をご覧ください。
https://nagoya-magent.jp/column/2080.html
4.希望条件の明確化
自己分析シートをもとに、転職先に求める希望条件を明確にしましょう。よくある条件は、以下の通りです。
・業種や職種、やりたい仕事内容
・活かしたいスキルや経験
・給料、昇進・昇給制度
・働き方(時短勤務、テレワーク、フレックスタイム制など)
・勤務地
・休暇制度、残業の有無
・転勤の有無
・福利厚生
希望条件を洗い出したら、優先順位をつけましょう。どうしても外せない条件と妥協できる条件を分けることで、応募する企業や内定を受諾する企業を選定しやすくなります。
転職でまずやること②|転職方法の選択
自己分析を終えたら、具体的な転職方法を決めます。よくある転職方法は、以下の4つです。
1.ハローワーク
2.求人・転職サイト
3.スカウトサービス
4.転職エージェント
転職方法は上記のどれか1つに絞るだけでなく、併用しても問題ありません。それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説しますので、参考にしてみてください。
1.ハローワーク
1つ目の方法は、厚生労働省の就職支援機関「ハローワーク」を使うパターンです。ハローワークは、都市部や地方にかかわらず全国的に設置されています。地域ごとに固有のハローワークがあるため、希望する地域の求人を探しやすい点がメリットです。就職したい地域が決まっている方は、ハローワークを中心に転職活動を進めると良いでしょう。無料の相談窓口では求人相談のほか、書類作成のアドバイスも受けられます。
一方で、ハローワークへの求人掲載は無料で行えるため、非常に多くの求人があります。母数が多いため、掲載内容と実際の働き方が異なる求人に遭遇する可能性もあるわけです。ハローワークを利用する際は、慎重に求人内容を見極めることが重要です。
2.求人・転職サイト
求人・転職サイトは、Webサイト上の求人広告から企業を選んで申し込みます。メリットは、スマホやPCを使ってお手軽に企業を探せる利便性です。いつでも求人検索ができるので、時間や場所にとらわれず自分のタイミングで企業を探せるでしょう。勤務地や雇用形態、業種などの条件を選択して検索すると、希望条件に合う企業を効率良く絞り込めます。
自由に企業を探せるものの、転職支援などのサポートサービスはありません。したがって、書類添削などの支援をしてほしい人には向いていないでしょう。反対に、自力で転職活動を進められる人には、求人・転職サイトの自由度の高さは魅力的ではないでしょうか。
3.スカウトサービス
スカウトサービスとは、企業側がスカウト登録者をヘッドハンティングする形式の転職サービスです。自分のスキルやプロフィールを登録し、企業からの「先行面接を受けてみませんか」といったスカウトを待つ方法です。また、求人・転職サイトにスカウト機能が設けられている場合もあります。求人・転職サイトの場合は、企業にスカウトしてもらうのを待ちつつ、自分からも求人を探すといった方法が可能です。
スカウトサービスは、自分のスキルや経歴に強みがある人に向いています。書類選考の免除や面接回数を短縮されるケースも多く、スピーディに転職活動を終えられるでしょう。ただし、いつまでもスカウトされず、転職が進まないリスクもあります。スカウトサービスを使う際は、他の手法との併用がおすすめです。
4.転職エージェント
転職エージェントは、専門的なノウハウを持つアドバイザーのサポートを受けて転職活動を進めるサービスです。アドバイザーに希望条件や現在の悩みを伝え、自分にマッチする最適な求人を紹介してもらえます。アドバイザーは企業へ訪問しているため、実際の情報にもとづいた的確な求人が期待できるでしょう。
応募先の決定後は、面接対策や書類作成のアドバイスのほか、日程調整まで代行してもらえます。手厚いサポートを求める方は、転職エージェントを利用すると良いでしょう。注意点として、希望の転職先や業界を扱っていない場合もあります。理想に合わない求人を紹介される可能性もあるため、最終判断は自分で行うことが大切です。
転職でまずやること③|情報収集・企業研究
転職先の企業を選ぶ上で、情報収集・企業研究も欠かせません。転職後のミスマッチを防げるばかりか、企業理解を深めることで志望動機にも説得力が生まれるからです。情報収集・企業研究のやり方を、以下5つに分けて解説します。
1.業界研究
2.求人情報の調査
3.企業情報の収集
4.3C分析
5.複数内定のシミュレーション
詳しい手順を確認していきましょう。
1.業界研究
まずは、転職したい業界を決めます。1つの業界のみに絞る必要はありません。自己分析の段階で洗い出した「自分がやりたい仕事」や「将来のビジョン」などと照らし合わせ、マッチする業界をいくつか挙げましょう。インターネット上の情報やビジネス誌、会社の四季報などを参考に、業界全体の将来性や事業内容を研究しましょう。たとえば、事業内容に魅力を感じる業界でも、業界の市場規模が右肩下がりの場合、将来性はあまり見込めないと言えます。「自分へのマッチ度」と「業界の将来性」などを多角的に考え、働きたい業界を絞り込んでみてください。
2.求人情報の調査
業界候補をまとめたら、転職サイトや転職エージェント、企業公式サイトの求人ページから実際の求人情報を調べます。転職エージェントは非公開求人も扱っているので、幅広く情報収集したい場合は活用しましょう。また、転職したい業界があっても、自分の希望条件に合う求人がなければ転職候補にはできません。業務内容や勤務地、労働条件を調査し、希望条件と合致する企業を複数選定しましょう。なお、企業口コミサイトの情報は、実際の働き方の参考になりますが、鵜呑みにしすぎないよう注意してください。
3.企業情報の収集
求人がある企業を選定したら、各企業の情報をさらに細かくチェックします。中でも多くの情報を持つのが、企業の公式サイトや四季報です。事業内容、提供製品やサービス、社風、企業理念、求める人材、決算短信といったさまざまな情報を得られます。採用サイトがある場合、社員へのインタビュー記事や動画、社内の雰囲気がさらに細かくわかるでしょう。企業への理解を深めると、応募書類の作成がスムーズになります。面接対策にも効果的です。
4.3C分析
企業をさらに深く理解するためには、3C分析もおすすめです。新卒の就職活動の際、3C分析に取り組んだ経験がある人もいるのではないでしょうか。3C分析とは、「自社(Company)」「競合(Competitor)」「顧客・市場(Customer)」の3つの観点から、企業を分析する手法です。自社(=分析している企業)と競合他社の事業の強み・弱みは何か、顧客や市場の現状と成長性を分析することで、分析している企業の将来性や競合への優位性の判断が可能です。応募企業のさらなる絞り込みや、スケジュールの優先順位付けに活用すると良いでしょう。
5.複数内定のシミュレーション
転職活動は、複数企業への応募を並行して進めるパターンが珍しくありません。複数内定をもらった場合に備え、企業間の優先順位をつけておきましょう。内定辞退・承諾の連絡が遅れると企業に迷惑をかけてしまうため、できる限り早い段階で決めておくことをおすすめします。内定の優先順位は、希望条件と待遇のマッチ度や3C分析の結果を比較して決定しましょう。
転職活動で避けるべき行動は?
ここまで、転職の準備段階でやるべきことを説明しました。反対に、転職活動でやってはいけない行動もあります。主に避けるべき行動は、以下の目次をご覧ください。
1.やみくもに求人に応募する
2.経歴を誇張する
3.転職エージェントへ期待しすぎる
4.面接辞退の連絡をしない
5.内定受諾後に撤回する
なぜやってはいけないのか、それぞれ理由を説明します。
1.やみくもに求人に応募する
転職の方向性を定めず、やみくもに数多くの求人に応募するのは避けましょう。あまりにも応募数が多いと面接や試験でスケジュールが埋まり、心身ともに余裕がなくなってしまうからです。多くの人は働きながら転職活動を進めるため、仕事との両立が難しくなるでしょう。
加えて、応募数が多すぎると、企業研究がおろそかになる可能性が高いです。書類選考や面接を通過できなかったり、内定をもらっても入社後に強くギャップを感じたりするかもしれません。転職の結果にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、大量に応募するのはやめましょう。
2.経歴を誇張する
職務経歴書や履歴書に虚偽の内容を書くのは当然だめですが、誇張もしてはいけません。たとえば、営業職の方が「目標達成度などの営業実績を誇張する」といったケースです。面接官が営業実績の数値を把握するすべはないため、つい大げさに書いてしまいたくなる方もいるでしょう。
しかし、書類の内容は、企業が求める人材であるかの判断材料にされます。入社後も相応のスキルを持つ人物として仕事を任されるため、誇張した経歴と実際のスキルのギャップに苦しむかもしれません。正しい情報を書いて、自分を必要としてくれる企業を探しましょう。
3.転職エージェントへ期待しすぎる
転職エージェントを利用する場合、一から十まで何でもしてくれると期待しすぎてはいけません。確かに、転職コンサルタントは求人紹介や面接対策など、手厚く支援してくれます。ですが、最終的に企業を選ぶのは自分です。「転職コンサルタントが選んだ会社だから良いはず」と、意思決定まで丸投げしてはいけません。
転職コンサルタントも万能ではなく、本人の経験値や情報収集力によってはミスマッチな企業を紹介されてしまう可能性もあります。自己分析や企業研究は自ら行い、主体的に取り組む姿勢が大切です。
4.面接辞退の連絡をしない
面接日時を決めたのに、無断で辞退するのは絶対に避けましょう。企業の迷惑になるのは当然ですが、後からやっぱり応募したいと思っても再面接は困難です。仮に面接をしてもらえても一般常識に欠ける行動であるため、採用される可能性は非常に低くなるでしょう。
面接辞退を決断したら、すぐに連絡しましょう。面接日程が近くなるほど「ドタキャン」の印象を与え、連絡もしづらくなってしまいます。面接日の前日や当日でない限り、辞退連絡はメールで問題ありません。お詫びの言葉を添えて、きちんと辞退連絡のメールを送りましょう。
5.内定受諾後に撤回する
内定連絡を受け、一度受諾してから撤回するのもやってはいけない行動です。受諾前の内定辞退は一般的な行動の範疇ですが、受諾後の辞退はマナー違反とされています。法律上の問題はないものの、企業へ与える心証が非常に悪いからです。グループ会社と情報共有している場合もあり、今後の転職活動に支障をきたすリスクがあります。
さらに、同一業界に転職する場合、内定受諾後に辞退した企業と関わるかもしれません。内定受諾を慎重に検討することで、転職後のトラブルを未然に回避できます。
準備不足による転職活動の失敗例
転職活動の事前準備が不十分だと、転職に失敗するリスクが高まります。どのように失敗してしまうのか、よくある具体例を4つ見てみましょう。
1.退職後に焦って転職先を決める
2.転職活動が長引く
3.入社後すぐに辞める
4.そもそも転職しないほうが良かった
それぞれ原因と合わせて紹介します。
1.退職後に焦って転職先を決める
在職中に転職先を決めず、退職後に転職活動を始めたケースです。最初は開放感から余裕を持って転職活動を始められても、収入がなく貯金が減っていく状況だと多くの人は焦り始めてしまうでしょう。焦って転職先を決めてしまい、自分の希望条件と合わない会社に入社してしまう可能性があります。
また、無職による長い空白期間は、転職における不利な要素になりがちです。面接時に高い確率で「空白期間は何をしていたのか」と尋ねられ、回答次第で「働く意欲が低い」「スキルや人間性に問題があるのでは」と判断されてしまいます。転職は企業の見極めが大事ですので、追い詰められた精神状態での転職活動はおすすめできません。
2.転職活動が長引く
転職の目的や方向性があいまいだと、転職活動が長引きがちです。希望条件が定まらず、応募したい企業がなかなか決められません。転職活動のスケジュールが後ろ倒しになり、当初に希望していた退職日を過ぎてしまうでしょう。内定をもらっても自社の繁忙期と被り、円滑に退職できなくなるかもしれません。結果的に転職先への入社日を調整してもらわなければならない、といったトラブルが連鎖してしまいます。
あるいは、手当たり次第に応募したために、企業研究が不足するパターンも考えられます。企業研究が足りない場合、面接官に対する適切な自己PRができません。書類選考や面接を突破するのが困難になり、転職活動の長期化を招きます。
3.入社後すぐに辞める
せっかく転職したのに、入社してすぐに辞めてしまう人もいます。企業が求める人材や社風、業務内容とのミスマッチが原因です。自分の中の希望条件を上手く整理できていなかったり、企業の情報収集が甘かったりするとミスマッチが起きやすくなります。
入社早々に退職してしまうと、また一から転職活動を始めないといけません。加えて、入社間もなく辞める場合、在職中の転職活動とは異なって無職状態になる人も多いでしょう。前述の通り経済的な不安が生まれ、再転職先の選定に失敗するリスクが生じます。
4.そもそも転職しないほうが良かった
もっとも回避すべきと言える失敗例が、そもそも転職しないほうが良かったケースです。転職してから「やっぱり前の会社に戻りたい」と思っても、取り返しがつきません。企業によっては出戻りを受け入れてくれる場合もありますが、基本的に期待しないほうが良いでしょう。
辞めたい原因が現在の職場で改善できる可能性があるなら、まずは同僚や上司へ相談してみてください。また、辞めたい原因によっては、転職したところで解決できるとは限りません。たとえば人間関係に不満がある場合、転職先でも人間関係に悩むリスクはゼロではないからです。現状把握や自己分析を上手くできていないと、不要な転職をしてしまう恐れがあります。
転職を成功させるポイント
転職の失敗を避け、成功させるにはどうしたら良いのでしょうか。転職成功のコツを4つ紹介しますので、参考にしてみてください。
1.在職中に転職活動を始める
2.希望条件に優先順位をつける
3.転職したい企業を厳選する
4.転職そのものを目的化しない
1つずつ、重要な要素を説明します。
1.在職中に転職活動を始める
基本的に、転職活動は在職中に行うものです。経済的に余裕を持って転職活動に取り組めるので、転職先を慎重に見極められます。退職したい日から逆算した転職スケジュールを立てて、計画的に進めましょう。転職活動の期間は3ヶ月ほどが一般的ですが、「激務で忙しいのであまり時間を取れない」といった方は、3ヶ月よりも長いスケジュールをおすすめします。
反対に、病気などの退職せざるを得ない事情がある方は、先に退職したほうが良いでしょう。無理に働き続けると、心身の状態が悪化してしまうかもしれません。自分の状況を考え、無理のない方は在職中に転職活動を始めてみてください。
2.希望条件に優先順位をつける
自己分析の中で希望条件を洗い出しますが、必ず優先順位をつけましょう。優先順位を考えず、全ての順位を満たす理想の企業を探すのはおすすめしません。理想の企業を探している間に転職活動が長引くばかりか、希望条件が厳しすぎるとそもそも存在しない可能性すらあります。運良く巡り会えても、採用してもらえるとは限りません。
希望条件に優先順位をつける際は、譲れない条件と妥協できる条件を明確に分けましょう。「譲れない条件を満たす企業の中から、妥協できる条件を多く満たす企業の内定を優先する」といった選考が可能になります。ただし、譲れない条件を10個や20個も作っては意味がないので、少数に留めましょう。
3.転職したい企業を厳選する
転職したい企業を厳選しすぎるパターンとは反対に、手当たり次第に応募するのもやめましょう。複数の企業への応募は問題ないものの、多すぎるとスケジュール管理が難しくなります。日程調整や書類作成、面接対策に追われ、本命企業への対策に注力できません。面接などのクオリティが落ち、採用されないリスクも上がるでしょう。
内定辞退の連絡も手間がかかるので、本当に転職したい企業だけに応募することが大切です。転職活動は「量より質」と考え、自己分析や企業研究をもとに応募先を絞り込んでみてください。
4.転職そのものを目的化しない
転職すること自体を目的に転職を進めると、転職に失敗するリスクが高まります。転職がゴールになってしまい、転職エージェントに丸投げしたり、本当は転職する必要がないのに辞めてしまったりするでしょう。ただ転職しただけになり、転職先の待遇や仕事内容に不満を抱くかもしれません。
「とにかく今の職場が嫌だ」「未経験の業界で働いてみたい」といった不明瞭な理由で転職活動を始めると、転職すること自体が目的化しがちです。転職はあくまで、現在の職場では実現できない理想を実現するための手段に過ぎません。自己分析を綿密に行っていれば、転職先に求める理想は明確化されているはずです。自己分析で明らかにした転職の目的を忘れないようにしましょう。
事前準備でまずやることを把握してから転職活動を始めよう
転職活動の流れは、「事前準備」「書類作成・求人応募」「面接・試験」「内定」「退職・入社」の5段階に分かれます。転職でまずやることは、最初の「事前準備」にあたります。転職活動全体において、事前準備は非常に重要です。事前準備で行う自己分析や企業研究が不十分だと、転職に失敗してしまうかもしれません。
この記事には事前準備でやるべきことが詳しくまとめてありますので、これから転職活動に取り組む方は参考資料としてご活用ください。
この記事では、転職でまずやることを詳しく解説します。避けるべき行動や転職を成功させるポイントも紹介しますので、転職検討中の方はぜひご覧ください。